小さな冷たい機会だけがたよりの距離。


     最初は勝てると思ってた。






+++++『受話器KISS』+++++






「だから…ごめんって、急に合宿が入ったから行けなくなったんだって」



大好きな大好きな彼、財前光と受話器越しに話す


「また?この前も行き成り練習試合って…」


「……また、夏休みになったらちゃんと逢いに行くから。」



そう、二人は大阪と東京…かなり離れている遠距離恋愛だ。


「ほんとうに?約束だよ。」


「あぁ…」

電話越しになんど言葉を交わそうとも、冷たい機会の音しかしない。

温かい彼の声は届きはしない…。

そう、思う、だった。


「じゃあ…キスして?」


「ぇ?」


電話のキスじゃ遠い…遠すぎるけど…


それでも、すこしでも気持ちが違うから



と、キスをお願いする。


「……一度だけ、ね?」




「分かった……」



そう言って数秒後、恥ずかしそうに音がなるのであった。







―――――ちゅっ

















。。。。。。。一週間後




光との電話はほとんど三日に一回くらいのペースだった。


だけど、合宿が始まってからは何の音沙汰もなくなり心配に思う



「はぁ〜〜〜なにょ!!光のやつぅぅぅ!!」


そう言って携帯のディスプレイを見るも彼からの連絡があるわけではなく



「今頃…頑張ってるのかな?」


パタンと…携帯を閉じる。


「会いたいなぁ〜……」


その言葉と、携帯が閉まる音だけが部屋に響く。


そして静まり返った部屋の中ではいても経ってもいられなくなり


夜の外に飛び出した。







「はぁ〜〜〜。気持ちいい風…。なんか…切なくなった。」







近くの公園に着き、一人ベンチで夜空を見上げる。



「なに?せっかくなのに星ひとつないじゃん!!」


まるで、の心をあらわすかのように夜空は曇っていた。







静まり返る公園で一人は涙を流す。





「こんなに大好きなのに…光はいないょ…寂しいよ。私だけこんなに思ってるのに…」






そんな独り言をつぶやきながらまたひとつ…またひとつと涙が流れる。



















〜〜〜〜〜〜〜♪♪







すると、携帯が光り、電話が鳴る。




「……ひかる?」


そっと携帯を手にしてボタンを押す。



「もしもし?」


?今何してる?」


「今…もう、寝ようと思ってたところ…」





「…そっか。」


「光…合宿は?」


「今、解散したところ。」


「お疲れ様。じゃぁ…帰ってゆっくり休まなきゃね。」


「ぅん。…でも、その前にしなきゃいけないことがあって」


「……ん?何?大切なこと?」





そして、数秒後




そう問いかけた返事は



私のすぐ後ろから聞こえてきたのであった。








  



「そう、大事なこと。とゆっくり過ごすこと。」








行き成り聞こえた声に振り返った瞬間、は暖かい感触に包まれる。






「光……?!!!」






「ごめんね。寂しい思いさせて。」




「どうして?」





「実は、合宿って東京でだったんだ…。」




「他の人は?」



「帰ったよ。解散して俺だけ用事があるからって残った。」



「光……。」





「会いたかったよ。。寂しいのは俺も一緒。」




「……聞いてたの?」






「……ずっとね。」







「………(汗。」



「でも、嬉しかった。離れててもちゃんと思っててくれて。」






「……私も…光が会いたいって思ってくれてたこと…すごく嬉しい。」





そう言って、向かい合わせになった二人の顔は少しずつ近づく。





「いつも電話ばかりだね…ごめん。」





その言葉を合図に二人の唇は重なる…




今までの冷たい感触じゃなく、しっかりと温かさが伝わってくる。






「今日はずっと一緒にいるから」


「ぅん。…ありがとう。大好きだよ、光」




「俺も。大好きだょ」


















久しぶりにあったお互いのぬくもりはいつまでもさめることはなかった。


















********おまけ*********




謙也「財前の奴…ぜったい女や!!」


白石「まぁ〜年頃やけんなぁ〜」


小春「いいじゃないww私たちもラヴ2よね?ユウジw」


一氏「そう2^^w」


千歳「……キモか。」


一氏「えええええ!!」


小春「まさかの突っ込み!!」


謙也「頑張れ!千歳!!」