忍び音 最終話「その愛天と地交じり合う迄」


この子を産むと決めた。

  そう告げて何もかも捨て一から始める。


新しい旅立ちの日差しは、とても心地よく

なれど、不安と希望に満ちていた。


お腹のこの名は雅治にしようと決めていた


「よし!雅治!母上は元気に働きますゆえ、陣痛だけは勘弁してね!」








「誰が……恋人の名前を子につけるんじゃ?」






















――――――――ぇっ!












振り返ったの目に飛び込んできたのは……


「―――――雅治。」


紛れも泣く、愛しい人。


「其れは俺に言ってるんか?それとも赤子にいってるんか?」


「どうして……」


「そぉ、驚きなさんな。幽霊じゃなか。急所外れて助かったんじゃ。」




「雅治………っ!!」




はすぐに雅治のもとに駆け出し抱きついた

雅治も其れをあやすようにしっかりと抱きしめた。


「辛い思いさせちまったな。すまん。」

「ぃえ!今……幸せですから。」


二人はまた共に暮らせるのだと確信した。








雅治も村を捨てた。

も村を捨てた。



今度は二人で…否

子供と三人で歩んでいける。









今また、止まった時間は動き出す―――――――――



         そして、この幸せ天と地交じり合うまで


























######おまけ######


雅治「おおぉ!う動いとる動いとる!」


「ちょ…変なとこ触んないで下さい!」


雅治「これは…立派な男じゃな」


「父親似のねっ!!!(半ギレ」


雅治「ははっ………きびしいのぅ。」