季節は色を変えて


   幾度めぐろうとも…

       
       私はあなたを思っています。






*****「叙情詩」*****



残された2年前の記憶。


世界は彼を忘れ


ソレスタルビーイングも歴史のひとつになりつつあった。




「ねぇ?ロックオン…ニール。

 今日は二人の3年目の記念日だよ?」




名無しはそっと彼の墓石の前に花束を置いた。






「みんなどうしてるのかな?あなたが心配してたフェルトは


 この前あったらすごく綺麗になってた。クリスのおかげだね。」




返事のない墓石。









「そう言えば…この前、新しいじゃがいも料理作ったの。


 イアンさんが凄くおいしいってほめてくれたんだよ。」




それでも名無しは語りかける。




「それから、髪型…少し変えたんだ。似合ってるかな?

 ラッセは可愛いって言ってくれた…」




静かな沈黙とともに


風邪がそっと髪を撫でる。




「それから…っ…それから…」






続きを言おうと


何度も言葉をつなげようとするが


言葉はうまく出ることはなく…涙ばかりがあふれてくる。










「泣かないって…決めたのに。」





ぽろぽろと滴る涙。





「ニール…駄目なんだ。あなたがいないと

 だから…帰ってきて。」








二年前の戦い。




ニールは家族の仇を討って





共に散った。




けど…





「宇宙のどこかにいるんだよね?

 待ってるから…ずっと」




夢でも…幻でもいい






「本当は…じゃがいも料理も、切った髪も

 真っ先にニールに食べてほしかったし…見てほしかった。」












だから…






帰ってきて…ニール。






待ってるから。











そして


いつまでも






あなたのこと







「愛してます。」