『滝は正レギュラーから外せ!代わりに日吉が入る』


   ★Will________☆

 あの時に逢えてなかったら…今の俺はまだ孤独を抱えたままだったのかな?

レギュラー落ち…それは氷帝学園にとってはもう未来さえ見えない絶望的な事
レギュラーから外された今、もう一生公式の場には立てない
俺はプロになりたくて…氷帝学園を選んだのに。

レギュラーから外された滝はもう12時になろうとしているのに野外を歩き回っていた…。
町を歩きながら…っふと身を投げてしまおうかと…橋に目をやった

うわぁっ!


そこには泣き崩れている少女が居た

滝「びっくりしたぁ!!!」
「何!?こっちのがびっくりしたし!!!」
滝「こんなとこで何してんのさ?見たとこ年俺と同じくらいだね…家帰らなくて大丈夫?」
「…あんたこそ親心配してるんじゃないの?」

彼女は涙を拭きながら顔をあげた

滝「あぁ…親心配してるかも」
「それより見たことある制服だねどこの学校?」
滝「氷帝学園」
「ふーん…」

彼女は俺の抱えてるラケットに目をやった

「テニス部?」
滝「うん」
「レギュラー…?」
滝「レギュラーから外された…」
「そうなんだ…」

彼女は申し訳なさそうに顔をうつむけた
何故なら氷帝のレギュラー外しはどの学校でも有名な話だ

滝「ねぇーさっき泣いてたけどなんで?」
「知りたい?」
滝「うん」
「わかった…あんた…今のあたしと似てるから教えてあげる」

そう言って彼女は俺の目の前に腕をかざした

「あたしは立海大女子テニス部の元レギュラーです♪
    けど…もうテニスできないんだ」
滝「腕?」
「そう、外見は全然普通に健康な腕なのに…もう駄目って言われたの
    あたしテニス始めたのが小学5年生からでねテニス大好きで毎日のように
    ラケット振り回してた…そんで中学2年になった頃男子テニス部との練習試合で
    たぶんだけどあの真田さまのサーブ受けて腕の骨にひびが入ったの。まぁそれしか覚えないから
    それ知らずにずっと振り続けて…骨ボロ。それに気づいたのが…最近1週間前!
    親にテニス辞めなさいって言われた…だから泣いてたの」
滝「そうなんだ…」
「だから…レギュラー落とされたくらいでグレたら駄目だよ…あんたはまだテニスできるんだから」
滝「だよね」
「うん!…あたしはがんばってリハビリしてまた位置からやり直す!あんたはプロ目指す!お互い課題が終了したらまた逢おう」
滝「あぁ…」

そう言って彼女は夜の町へ消えていった

けどあの時彼女に逢っていなかったら…今の俺はきっと―――――――――。