ホワイトクリスマス
私は、正門で空を見上げながらボーっとしていた。
次々と正門を出て帰っていく生徒たちはみんな、恋人や友達と片寄せあって帰っていく。
「もうすぐクリスマスかぁ〜」
ふとそんなことを考えるも、自分はまた、家族で過ごすんだろう…と少し寂しく感じる。
「悪い。まったかぁ〜?」
「大丈夫。お疲れ^^今日は早いほうだょ」
「そか^^でぃっか、いちゅんどー!!」(さぁ〜行くぞ)
「ぅん。」
いつも裕ちゃんとは一緒に帰っている。幼馴染だから、ずっと一緒なんだ。
裕次郎は優しくてテニスもうまい。そんな裕次郎が私は好きだった。
「もうすぐクリスマスだね。」
「あぃ?そーやっけかぁ〜?」
「裕次郎はどうするの?」
「部活があるさぁ〜と一緒に過ごしたいんだけどなぁ〜」
「ぇ?ぅちと?でも、部活あるんだね。」
「だなぁ〜じょぉい無理やさぁ〜」
ホントはすごく裕次郎と過ごしたかった。けど、我侭はいえない。彼女でもないし。
「でも、雪が降ったら、部活なくなるぜ。」
「ほんと?」
「しんけんやー」(ホンとだょ)
「だから、一緒に過ごすばぁ〜^^」
裕次郎の言葉はすごく嬉しかった。でも、ここは沖縄。雪なんて降るわけがない。
裕次郎は私をからかってるんだろう…。そう思っていた。
「、しに大切な話あるけんどぉークリスマスにな」
(とても大切な話がある、クリスマスに言うから)
「ん?なに?」
「秘密やぁ〜」
そんなことを言って帰っていく裕次郎の背中を見て、
きっと、裕次郎と過ごすクリスマスは来ないんだろうなぁ〜。と思うのであった。
それから数日がたち・・・・・
クリスマス当日。きっと裕次郎は来ないと分かっている。
けど、家族と祝うのも夜出し、一人でいるのもつまらない
それに…雪が降ると言った裕次郎を信じてみたかった。
「って…全然降らないよぉ…。」
泣き出しそうな曇り空なのに、一向に泣く気配のない空をみて、自分がなきそうになる。
「裕次郎…。」
そぉつぶやいたと同時に、一粒の白い物が降りてくる・・・。
「ぇっ!ゅ・・・雪?」
びっくりして、立ち上がった私は、あまりの珍しさにちょっぴり感動してしまった。
でも、肝心な裕次郎がそばにいないことに気づき、少し気を落とす。
うつむいた私の後ろから、ふわっとコートがかけられる。振り向いたそこには…
「裕次郎。」
「ごめん・・・。遅れたさぁ〜、あと、プレゼントないば」
「いいょ…裕次郎が来てくれたから、それだけで嬉しい。」
裕次郎がその言葉を聞いてぎゅっと私を抱きしめる。
抱きしめられて、更に思わせられる、どれだけ自分が裕次郎を好きか。
「、顔あげんね、下向いてないで」
「ん・・?」
顔を上げたとたん、突然のキス。ただ触れるだけの短いキスだった。
「俺からのプレゼント。それと、好きやぁ〜…付き合ってほしい」
裕次郎からの突然の告白。答えなんて決まっていた。
でも、今は声が出ないほど今の状態に染込んでいた。
「OK」と言う代わりに、ほっぺにキスを落とした。
おまけ
「ねぇ?雪ふったの知ってる?」
「おこらんかぁ?」
「ん?」
「あの雪…俺が木の上から降らしんやぁ〜」
「・・・・・・。」
「にどうしても会いたくて」
「・・・・・・。」
「?」
「ばかっーーー!(涙)私の感動を返してょ!」
「ご・・・ごめん」