マワル……マワル……
二人の未来の歯車は
マワリ続ける
…危険と知っても
SCRATCH NO・XV 「like 」
二人の思いがすれ違ってから数日がたったある日
再び事件は起こる。
この日、は気分転換にと近くの公園まで足を運んでいた
ただ、強すぎる日差しだったが、野生育ちのにはなんの苦にもならなかった。
「ぁ〜〜ぅ〜〜ふーーぅーーやっぱり外の空気はいいなぁ〜^^」
深呼吸をしながらゆっくりベンチに座る。
そして、少しの間、ぼーっと公園で遊ぶ親子を見ていた。
「私にも…あんな…家族が…いたらなぁ」
がそう呟くと、いきなり足に何かが当たる。
「ボール?」
それを拾うと、砂場のほうから子供の声が聞こえた。
「どうも、すみません!それ、投げてください!!」
きっと飛ばしすぎちゃったんだ…と思い、は立ち上がってそれを投げようとした瞬間
『アレ・・・痛っ・・・・・・・・』
バタンっ――――――――――――
「おい!!君!!大丈夫か!!!」
の体はゆっくりとゆれ、前の方へ倒れて意識を失った。
周りに居た人は、急なことに驚き焦ったが、救急車を呼び、救助を求めた。
pipipipipipipipipipi---------
学校ではちょうど、昼休みを向かえていた一氏の元に一本の電話が入る。
一氏は、部室に居たみんなに声をかけ、部実から出る。
「わるい!ちょぃ電話や」
携帯を取り出し、通話ボタンを押す。
ピッ―――
「もしもし?」
知らない番号からの電話に少々探るような声を出し応答する。
「あのっ。こちら四天王子中央○×病院ですが…」
「はい・・・。??」
「服のポケットに入っていた連絡先しか分からなかったものですから…」
「あぁ…はい…?」
「実は…こちらで、さんと言う女性の手当てをしているんですが」
確かに、ついこの前に携帯の番号を教えたのを思い出した一氏は
学校を飛び出し、病院に直行した。
幸いにも、学校から病院はそこまで遠くはなかったが、息を切らしながら病院に着いた。
「は!!?」
荒い息を抑えながら、看護婦さんに場所を聞き、病室へ急ぐ。
「!!!!」
叫んで開けた先には、ぐっすりと眠りながら点滴をうっているの姿があった。
「………。」
その頃学校では、急に電話だと言っていなくなった
一氏を心配に思っているメンバーが居た。
「どこいったんやろ?」
「せやな…便所にしても遅いし…」
「長電話してんやろか?」
と、行き成り蔵ノ介の携帯が鳴り響く。
「あれ?今度は部長の携帯なってへん?」
「ほんまや…ちょい堪忍」
そう言って蔵ノ介も一氏と同じように部室を出る。
「もしもし?」
「ぁぁ…白石か?」
「一氏?今どこにおんねん?皆心配して…」
「それどころやないねん!!」
「なっ…なんゃ?」
行き成り話を遮り、慌てた様子で訴える一氏に、蔵ノ介は異常事態を察知する。
「実は…が倒れてん。意識不明の渋滞や。もう、間に合わへん!!!」
「なっ…………
そこまで聞いた蔵ノ介は、一氏と同じように走った。
携帯のスイッチを切るのも忘れて…。