いつも思う。
マネージャーってかなり割に合わないような気がする。
*****『存在意味』*****
「ぁ〜マネージャーそれとって!」
「はぃ」
「マネ!俺にもドリンク」
「どーぞ」
「マネージャーさん、タオル下さい。」
「投げるからキャッチして」
急がしぃ……。
マネージャーになって早3年。
青春学園はテニスの名門だから、特に、
テニス部のマネージャーなんてなかなかできない。
それでも、幼馴染の頼みだからってがんばって入部試験も合格したのに……。
この有様。
「はぁ〜疲れたぁ〜↓↓」
「はい、お疲れさん!」
「英二…ありがとう。」
そう、この仕事、絶対に居あうから!
って無理に私を入部させた張本人。
「もう、レギュラー人も終わったの?じゃあ〜タオルとドリンク持ってかなきゃ」
「ぁあ〜!まだだにゃ!俺はトレーニングノルマが先に終わったから、休憩してるだけぇ」
「そっか…お疲れさん。」
「ところで、最近一緒に帰ってくれないじゃん!俺、退屈で…」
「ごめんね、英二…日誌とか部室の片づけで忙しくて。」
「そっか…にゃら、今日は絶対!帰ろうな!!」
「分かった。」
返事をすると英二はまた、コートに戻っていった。
「何で…英二は、私をマネにしたんだろう…」
その声はひそかに、部室のドアの前で立ち止まっていた英二に聞こえていた。
「今日はこれまで。」
「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」
「油断せずに帰る様に」
竜崎先生の終了の合図といつもの手塚の同じ言葉で今日の部活は終わった。
「みんな疲れ様。ドリンクとタオルです。」
「いつもすまない」
「ありがとう、」
「いえ^−^」
「ーーぃぃ。今日は待ってるからにゃ!」
「ぅん。なるべく早くするね」
ドリンクを配り終わり
コートの整備の手伝いをする。
今日の整備は越前君と桃。
「先輩。菊丸先輩と付き合ってんすか?」
「えっ?」
まさかの質問。
「そーっす!俺も気になってたんっす!」
「桃まで?!」
「先輩みたいな完璧なマネージャーとお調子者の菊丸先輩って組み合わせ。なんか不思議で。」
「別に…完璧では…それに、付き合っては居ないよ?幼馴染。」
「なぁ〜んだ!んじゃ俺もまだOKッすね!」
「こら、越前君、年上をからかわないのっ!」
何だかんだで可愛い後輩、一緒に笑いながら整備をしていたら
英二のこと忘れかけてた。
急いで片づけを済まし、英二の待つ教室に行くと、英二はもう、いなかった。
「ぁ〜英二に悪いことしたなぁぁ〜」
そお思い、英二の席に着く。
「英二が私をマネにした理由。少し期待しちゃった…」
少しブルーになりつつ、ふと外を見る。
窓からは向かいの教室が見える。
「あれ?向かいの教室の下って…私のクラスだぁ〜」
窓際の英二の席からは私のクラスが見下ろせた。
「しかも私の席も……って……ん?」
見下ろした窓際の席の私の席には
「英二?」
帰ったはずの英二の姿が。
私は急いで自分のクラスに走った。
「英二?」
到着して名前を呼ぶも反応が無い。
「……寝てる?」
すやすやと眠ってしまった英二を横にそっと席に着く。
「私…馬鹿だから、英二が私をマネに選んでくれたこと少し期待してた。」
起きる様子も無い英二に続けて話す。
「もしかしたら、少しでも一緒にいたいからかなぁ〜て」
「実際ね、私も一緒に居れて嬉しかったし・・・・・・」
それだけ言うと言葉を止めてそっと英二にジャージをかける
「さっきのホント?」
いきなり起き上がった。
「えぇ!英二起きてたの?」
「ぅん!で…さっきのホンと?」
「……ぅん。ホントだょ。」
「俺も。一緒に居かったんだ!」
「えっ…英二?」
「ずっとずっとこの三年間言えなかったけどっ。俺…が好きだから!」
「・・!!」
「だから、マネになって一緒に居られると思って!」
「英二…ありがとう。私も、ずっとずっと好きだった。」
「付き合って…くれる?」
「はい^^!喜んでvv」
夕焼けの教室はじれったい二人の三年間をしっかりと見届けた。