綱・・・もう一度会えたら
こんどはちゃんと伝えるから。
***「さよなら」***
緑生い茂る森の中。
颯爽とかける人影ひとつ
女性というには少し足りなぃ、幼い不陰気を持つレディー
少女の名は彼女
何を急ぐのか…こんな森の中にどんな用があるのだろうが
足を止めることなくすすむ。
「はぁ……。もう、武の地図…簡単すぎてわかんないのよ;;」
そう言って手元を見つめる、彼女の手には一枚のメモがあった。
「てか…木と湖書いて…この辺って…泣きたくなるんだけど…山本。10代目の右腕がこれでいいの?」
半分あきれたように…その紙を握り締め再度歩き出す。
しかし…しばらく行くと
少し小走りに歩いていた彼女の足が急に止まる。
「棺………。つ・・・な・・・」
そう言って見つめる先には、黒い棺。
そう、先日ミルフィオーレファミリーに殺された
ボンゴレ10代目の棺であった。
「ごめんなさい。綱…」
彼女は棺にそっと手をあて
そうつぶやいた。
涙を流しながら。
「守って…あげれなくて…ごめん。」
触れた棺からの応答はなく静かに森のざわめきが帰ってくる。
「綱…ずっと言いたいことがあったんだよ…ボスと守護者だから…
身分違いだから…言えなかったの…でもいつか言おうとおもってた。
なのに…」
言葉と同時にどんどん零れ落ちるしずくは雨のようで
棺に添えた手の上を転がり落ちる。
しずくとともに、彼女の手で光る指輪。
そこには雪の模様が彫ってあった。
「こんな形で…伝えるくらいなら…もっと早く伝えればよかった。
ごめんね。プロポーズ…断ったりして…本当は…すごく嬉しかった。
でも、もう遅いよね…」
そう言った彼女はそっと自分のポケットからリングを取り出す。
それは紛れもなく…エンゲージリング。
それをそっと手にはめる。
左の薬指に………
「綱…いまさらだけど…大好きだよ。
……綱じゃなきゃ駄目なんだ。山本でもない
隼人でもない……綱が好き。
綱・・・・・・・・・・・あなたを。愛しています。」
そっと…棺を開け…
キスをする。
永遠の誓いのキスを。
***おまけ***
隼人「出て行きづらぃ……////」
彼女「隼人…盗み見は感心しないなぁ?」
隼人「きっ…気づいてたのかよ」
彼女「さっき気づいた。」
その後、十年前の綱が棺に現れるのはもうすぐ。