大切な人のそばにいたい…



          当たり前のことだよね?






******「両思い」******




学校も何も無い休日。

私は用事があって家にいた。


本当は大好きな人の全国の試合を見に行って


応援してあげたかった。




でも、どうしても家の都合で行けなかった。









「大丈夫!俺を信じて。」



「でも、大事な試合なのに…」



「必ず決勝までこまを進める!だから、決勝戦は必ず来て欲しいんだ。」




つい先日…

優しい笑顔で隆はそう言った。



四天宝寺戦………


隆を信じていないわけではない。


けど…胸騒ぎがした。
















「わかたょ。無理はしないで!」




そんな言葉しか、かけれなかった。






今は家で仕事のため留守にしている両親の代わりに

寝たきりのおばあちゃんに付き沿っている。





「おばあちゃん、何か食べる?そろそろお昼だし」


「いいょ今はまだ。ありがとう。」


「じゃぁ、食べたくなったら何か作るね。」



そう言って、そこから離れようとしたとき、おばあちゃんが私を引き止めた。




ゃ」


「ん?」


「何か心配事があるんじゃろ?」




少し驚いた。


なかなか表情に出さない私の気持ちをおばあちゃんは気づいていたから。


「なんで?」



「さっきから時計ばっか気にして。」



そっか・・・無意識のうちに。


「気付いてたんだ^^;でも、いいんだょ。もう、終る頃だろうから。」


「そうかぃ?」


「ぅん」






そんな会話の数分後だった。











トゥルルルルルルルル―――――――−






電子音が鳴り響き一本の電話が鳴った。






「もしもし?」






電話の相手は同じクラスの不二君だった。




「もしもし?。」


「不二君?どうしたの?」


「実はタカさんが――――――――――――























驚いた。


まさかそんな事になってるなんて。















私は病院に走った。


幸いにも、早く仕事を切り上げて帰ってきた母が
おばあちゃんを見てくれることになった。






「隆――――お願い!!」





心の中で何度思ったか。











ガラガラガラ――――――――――










「隆!!!!!」








おもいっきり病室のドアを開け

彼の名を叫んだ。








?!!!!」








びっくりしてこっちを向いた彼の顔わぼろぼろになって


あちこちに包帯が巻かれてあった。







だけどどこか。





精一杯のことをやり遂げた




勇ましい男の顔だった。










「どうしたの?ってぇぇええ!」










気付くと涙が次から次へと流れていた。








「ごめっ…何か…びっくりしすぎて。」





そんな私に隆は
「ぅんぅん…」と優しく相槌をくれる。









「何か……ボロボロで…またテニスを失いそうな隆を見るのは辛くって…」






「でも…実際…すごく輝いてて、やり遂げたって…感じでっ…」









「良かった……。」











そこまで言い終わった私を見て、隆は優しく抱きしめてくれた。




。ありがとう。俺のことをそんなに思ってくれて。」




「隆…」





「俺は精一杯やってテニスをなくすならそれでもいいんだ。
 だだ、君がそばに居てくれたら。それだけで十分なんだ。」






「…わ・・・私もだょ。」






。本当にありがとう。………大好きだよ。」























きっと二人は一生。

お互いのそばを





離れないだろう。