町並みがキラキラ輝き、景色を白で塗りつぶす
 またこの季節がやって来た…

「恭弥ぁ−帰ろ−」
「あぁ、か。もぅそんな時間かい」

そう言いながら雲雀はを待たせまいと急いで荷物をまとめ、寒いのか何時もは肩にかけている
だけの学ランに今日だけはちゃんと袖を通した。「あれ?珍しいね。」と言いながらはクスクス笑っている。

「そうかい?僕だって防寒くらいするよ」

そういいの頭にポンっと一度軽く手をおき乱暴に撫でると外へ出る
が「待って」って追いかけて来るもんだから可愛くてつい意地悪したくなって
早足になる。息を切らせながら追いついてきたは俺の顔を覗き込み「おいてくなんてひどい」
っといって両頬を膨らませる。

「だってしかたないだろ。」

愛情表現の苦手な僕には意地悪く接するしか照れ隠しの方法がない…

けど…ひとつだけ君との距離を縮める方法思いついたんだ

の手をギュッと強く握り締めた。
いきなりの展開にはビックリした顔で頭に?を浮かべながら僕を見る。
僕はそんなことお構い無しにその手を自分の学ランのポッケへと移動させた
それに対しは「ありがとう」とだけ言うと嬉しそうな笑顔をこちらへ向けてくれる。

そう、これが僕のに対する精一杯の愛情表現。


またこの季節がやってきた…こんな不器用な僕でも君との距離を縮めれる唯一の季節。