朝、目が覚めると感じるぬくもり
もしそれが消えてしまったら
*****『ぬくもり』*****
小鳥のさえずりが遠くから聞こえてそっと目を覚ます。
隣にぬくもりを感じて、コムイはそっと暖かい腕に目をやる。
そこには愛しい恋人の姿があった。
「。おはよう」
そう、語りかけても目が覚める気配はなく
そっとの唇に口付けを交わせば、やわらかい感触が伝わる。
昨日の晩、彼女は仲の良かったデイシャの死を知らされ涙を流した。
そして、その辛さゆえ、死への恐怖ゆえ、僕と体を重ねた。
何度も何度も愛を…いや、生きていると言う確信を確かめ合った。
「激しすぎたかな…v」
なんて冗談交じりに言っても、は起きる気配はない。
「僕だって…君がいつかいなくなるんじゃないかと…すごく心配なんだ。」
そっとコムイはのほほに手を当てる。
すると
「一人に…しないで…コムイ…」
の唇が動き、そう告げる。
そして、ほほを一筋の涙が流れ落ちる。
「一人になんかしない。僕は君がいないと…」
そう言ってを強く抱きしめる
「コムイ…?」
ふと目を覚ましたがコムイに気づきそっと顔を上げる。
「泣いてる…の…?」
「おはよう…。少し…怖い夢を見てね。」
本当は、のことを思っての涙。
エクソシストで戦場に赴く彼女をただ、見守りサポートしかできない自分。
「こんなにを…愛してるのに…なにもできない」
「そんなことないよ、コムイ。私はあなたが待っていてくれるだけで
毎日の任務を頑張れる。頑張って、またホームに帰ろうって思えるんだもん。」
「…」
「コムイ、あなたがあるだけで私は救われるの。」
その言葉が終わると、そっとコムイはのほほに手を寄せる。
「ねぇ?コムイ…キスして?」
それが合図のように二人は深い深い口付けを交わした。
今度はいつできるのかわからない口付けを。