図書館に行くといつも君はそこにいた。


******『キャンバス』*******


いつも利用する市立の図書館に入り、いつも座る席に座ると見える窓の外。
そこに見えるのは僕の思い人。いつもそこにいる。
最初は気づかなかった。外に興味が無かったから。

ここの図書館は外が広い公園になっていて自然がいっぱいだ。
そこでいつも彼女は絵を書いていた。

「何…書いてるんだろう。」

俺はそぉ思って、本から目を離しそっと彼女に視線を移す。
ふと、彼女と目が合い、ドキッとする。

彼女はぺこっと会釈をすると恥ずかしそうに笑う。
それがすごく可愛かった。

彼女のことが知りたくなった俺は外に出た。



「確かこの辺…って……あれ。」

そこにはキャンバスやスケッチブック・絵の具があるだけで彼女の姿か無かった。

「どこに行ったんだろう。」

あたりを見渡すも彼女の姿は無い。
ふと見ると、スケッチブックが風で開いた。

僕は目を疑った。

「これは……僕?」







――――――バシャンっ。



水音がして振り返ると彼女が立っていた。

「ぁ・・・・すみません。これは…その…風で偶然…」

弁解しようにももう遅い。

「いぇ…こちらこそ、すみませんっっ!!」

いきなり誤られてびっくりした僕はなぜ謝るのか分からなかった。



「私、あなたに一目惚れしてっ……その…つい書いちゃって。」


そぉ言われてやっと誤る理由が分かった。


「誤られても…困りますね。」

「・・・・・・・ごっ・・・ごめんなさい。」

ホント、困りました。まさか両思いだったなんて…。今しかないですよね?

「責任とって、僕と付き合って下さい。」

「はい。ホント・・ごめんな………って…ぇえぇっ!」

驚いたように僕を見る彼女がまた可愛くて、つい抱きしめた。

「一目ぼれをしたのは僕のほうです。さん。」
「あっ・・えっ・・いつ名前を?」
「スケッチブックに書いてありました。」
「ぁ・・・^^;」

そうですよね…とまた笑う。ほんとに優しい笑みだ。

「それより、返事を聞いてもいいですか?と言っても、断ることはできませんょ?」
「はい。嬉しいです!よろしくお願いします^^」
「よかった。改めて、僕は梶本貴久。貴久でいいです。」
「私は…」
「若人さん…ですよね?いつも見てましたよ」
「・・・・・/////////」

恋が実った時、きっともっといい表情になるんだろうと思っていた彼女は
思っていた通り、桜のように笑った。



#########おまけ##########

「僕、テニスしてるんです。よかったら今度、見に来ませんか?」
「ホントですか?私の兄もテニスしてるんです!」
「そうですか。それは奇遇です。」
「若人弘って言うんです。知ってますか・・・?」


「ぇえええ・・・・・・・。」

頑張れ!梶本!打倒若人弘。