秋桜
一日がほぼ終わり、日が沈みかけたころ私はみんなと別れ、
ひとり制服のまま家とは違う方向に向かう。
そう、普通の女子高生なら珍しくはないアルバイトに向かうのだ。
私は金持ち学校と言われる氷帝に通っているが、本気でお金がない。
夢があって通っているのであって、決してお嬢様やお坊ちゃまじゃない。
「じゃあ、あとよろしくね。」
「あっ、はい。お疲れ様です^^」
昼間働いているパートの人に挨拶をして、夜の仕事を引きつぐ。
今日もお客さんは次々にやってくる。
まぁ〜私のバイト先は全年齢に愛されるファーストフード店だからね。
「いらっしゃいませ^^。ご注文お決まりでしたらどうぞ」
「ぁ…えっと……」
本日一人目のお客さんが、下を向いてもごっている。
(私、何かしたっけ?笑顔きもかった?そぅ言えばこのお客さん、ここ一ヶ月よく来店してくれてるなぁ〜。)
そんなことを思いながら、注文をとっていた。
「おい、長太郎,早くしろ、店員が困んたろ?!」
「ぁ…はい。すみません宍戸さん。じゃぁ…チーズバーガーひとつ。」
「お前、そんなので足りるのか?」
「え…はい。ここに来ただけでおなかいっぱいですから^^;」
「…………っぷ」
あっ…やっちゃった。彼の不可解な言葉に思わず笑ってしまった。
「なに言ってんだ、長太郎…激ダサ。」
「ぁあぁ…すっすみません俺…変なこと。」
「ぁ…いぇ…こちらこそ、申し訳ありません。お客様に失礼なこと。」
「俺が悪かったんで……いいんです^^;」
そんなやり取りをした後、彼らは商品を持って帰っていった。
(なんか、かわいいお客さんだったなぁ〜。制服氷帝みたいだし…。また来てくれるとぃぃなぁ)
なんて思いながら…仕事をしてたら知らないうちに閉店時間。(早っ!
「お疲れ様でーす。お先に失礼します。」
そぉ言って、外に出た。夜の風がすごく冷たく感じる。もう、秋かぁ〜。
と黄昏モードに入っていたら、いきなり声をかけれられ間抜けな対応をしてしまった。
「あのっ!」
「へ?」
ぁ…さっきの…銀髪の美少年…。また…会えた。
「いきなりすみません;;」
「いぇ、どうかしました?忘れ物でも?」
「忘れ物じゃなく…いゃ……忘れ物です!」
「ぁ…じゃあ…店長に…」
「いや…そうじゃなくて!」
いきなり…大きな声を出されて、少しびっくりしたけど、そっと彼に向き直った。
銀髪の少年は、静かに顔を上げると微笑んで一言。
「あなたに告白の忘れ物を………。好きです。さん!あなたが好きなんです!」
瞳が合った時、ふいに私から笑顔がこぼれた。
「ぁりがとう…/////。」
きっと、今年の冬は暖かいだろう・・・・。