もしも、僕がもう少し大人だったら。

 
       僕は彼女に―――――――――――



  『心の万華鏡』



僕は、毎日ありえないくらい部活をして皆と騒いでまっすぐ帰宅する。

だけどある日、ふと、立ち寄った公園で僕は一人の女の人とであった。




「きゃっ……駄目だよ。っ。水遊びは…冷たいっ」


小型犬と思われる犬と楽しそうに遊ぶ彼女の姿に

正直俺は、萌え………いゃ…一目ぼれをした。


「あの…っ。良かったら僕も混ぜてください!」


いつものように大きな声でわって入ったものだから、彼女も犬もびっくりしていた。




「ぇっ・・・・あのっ・・・」








「ワンワン!!」










彼女はとても驚いた様子だったが、すぐに子犬のほうがなついてくれた。


「わぁ〜くすぐったい(><。。」


「この子、なかなか…人に懐かないのに…クスクス^^」


そう言って、僕に懐く飼い犬を見て少し微笑んだ彼女の顔はとても綺麗だった。






「所で、貴方は…六角中の生徒さん?」




すると行き成り、じゃれあっている様子を見て彼女が質問をした。









「ぇっ?あっ…はい!僕、六角中テニス部部長、葵剣太郎です!」




「剣太郎君ね。私はょ。」





そう言って差し伸べてくれた手は、思っていたよりも小さく、弱いものだった。








それからと言うもの、僕は毎日その公園で、と遊ぶようになった。

部活で疲れていても、の顔を見るとすぐに疲れなんて吹っ飛んだ。



毎日毎日が楽しくて、ショウガナカッタ。





















でも、そのせいで


僕は


の異変に






キヅカナカッタ――――――――――
















ある日。

いつものように立ち寄った公園にの姿は無かった。


「あれぇ〜〜〜?!!まだ、来てないのかな?。」


まぁ〜もう少ししたら来るだろうと思い、ベンチに座って待っていた。



だけど、いつまで経ってもは現れない。


「ん〜風邪でもひいたのかな…お見舞い…って言っても家知らないし。」


僕は小さな思考回路をめぐらせて思い当たる限りを考えて待っていた。






「ワンワン!!!!ワン」







すると、遠くから犬の鳴き声が聞こえ、やっと来た!!と思い立ち上がった。





しかし。





「ワン!」







やってきたのは子犬のだけ…。


「あれ?!は一緒じゃないの?」


なんて…犬に聞いても…と思い、を見る。


「ワン!!ワンワン!」


いつもより、吠えるに、遊んで欲しいのだろうと思った僕は


「はいはい!一緒に遊ぼうw」


と、頭を撫でフリスビーを取り出だした。



「ワンワン!!」


だけど、はそれに見向きもせず、僕に何か言いたそうに吠える。





「………?」



「ワン!!ワンワンワン!!!」










僕の心が騒いだ。


いつもいる公園に、いない、





!!!今すぐ案内して!の家まで!連れて行って!!」





「ワン!!」




僕の言葉を理解したかのようにがすごいスピードで走り出した。







公園を出で、学校とは逆方向に曲がる。


駅の近くの橋を渡って行く。



走って約3分。



昔ながらの建物には駆け込んだ。



僕も息を切らしながら門をくぐる。





すると…綺麗に手入れされた日本庭園を見渡せるように

なっている縁側には横たわっていた。






!!!!!!!」




「ワンワン!!」






は、このことを伝えたかったんだろう。


に駆け寄った僕は彼女を抱き上げる。


、しっかりして!!」


「ん……剣太郎……?」


うっすらと目を開けたはか細い声で僕の名を呼ぶ。


「何があったの?」



「私…病気なの…もう…。ごめんね……」



その一言を聞いて驚いた。いや…悲しかった。





「何で!何で!なんで!!どうして!!」


「ごめんね…言うの遅くなって…」


「違う!!に怒ってるんじゃないょ!僕が…アレだけ一緒にいたのに
 気付いてあげれなかった。何で…もっと……僕が大人だったら。たくさんのこと
 知っていたら…」


「違うよ…。隠してたから…私が。剣太郎は悪くないんだよ…」





…」





「剣太郎…大好…き…」






?」





!!!!!?!!―――――――――」







僕の大切な人は、僕の手の中で、僕が言いたかったことを先に伝えて逝ってしまった。












は、幼い頃から体が弱く、学校はほとんど行けなかったそうだ。


最近になって病気が発覚して、治療をしていたのだ。





「僕は。もっと大人になりたい。」




















――――――――六年後。






「え!!剣太郎!医大に行くのか?!!!」

「うん!たくさんの人救えるように!!わぁ〜今から…燃えてきたぁぁ!!」

「まさか、剣太郎が医者目指してたなんてなっ」

「そうそう、俺らはてっきり、同じ大学に来るのかと。」


「ごめんね!バネさん!みんな…でも!約束だからw」




「なんだそれ。誰との約束だよ〜〜〜〜〜(ニヤA!!」


「彼女か!剣太郎!彼女できたのか?!」



「秘密w」