*『私の弟を紹介します。』*



「今日はどうしたの?可愛い格好して?いいことでもあった?」


朝一に話しかけてきたアレルヤに「ちょっとねw」と意味深に答えて

私たちは授業の席に着いた。


「もしかして…今朝一緒に歩いてたの…彼氏?」


「えぇぇっ!?」


授業中という事も忘れて声を上げてしまい恥ずかしそうに周りを見渡す。


良かった…誰も気づいてない。


でも…アレルヤ…


「いつから見てたの?」

「たまたま見つけてね…。まさか相手が高校生とは…」

なんて意味深な笑みを浮かべるアレルヤ


「違うよ?アレは弟!可愛いでしょ?もう、可愛くて可愛くてw」

「…そうなの?てか…ほんと相変わらずの家族愛だね」

誤解は解いておかないと

眉毛を潜めて苦笑するアレルヤだったが

「いいことでしょ?」

「まぁね」

そう言ってくれた。







あれから、あっと言う間に時間は経ち、気づけば放課後


「一緒に帰る?」

「うんん…迎えに…来てくれるから///」


恥ずかしそうに答えた私に、勘違いしたアレルヤは

「あぁ…。可愛い弟によろしくw」

そう言って帰っていった。




「まぁ…いっか」


そう思って正門に向かう。

そこに、凄いエンジン音でやってきたスポーツカーが私の前に止まった。


「よっ!またせたな。」


「大丈夫だよ!今終わったところ」


そう告げた私を迎え入れて車は発進した。



「あれ?」


乗ってから気づいた…


「なんか…いつもより…かっこいい?」


彼の格好がいつもよりビシっとしてて

「いつもカッコいいだろ?」

「…ぅん。」


「なんだその白けた返事は」


「うそうそw」


なんでだろう?


「今日はの家族に挨拶するんだ、変な男に見られたくないからな。」

なるほど…。納得した私はニールをからかってみる。

「いつか…ばれるよ?」

「オィ…それは俺が変な奴ってことか?」

半分顔を引きつけながら振り向くニール

それを

「ぁ…刹那迎えにいこう!!」


なんて軽くあしらってみる。

彼との出会ったのはまだ一ヶ月前だけど、の紹介で行った美容室でお互いに惹かれあった。

また、会いたいな…なんて思っているところばったりカフェで会ってしまったのだ。

今考えると…運命的だった。





ってなんか恥ずかしい・・・。


現実に戻ろうと頭をブンブンと振って携帯を開けた私は刹那に向けてメールを打つ。


「弟君迎えに行くんだよな?」

「うん、今『学校で待ってて』ってメール入れたんだけど…。ごめんねわざわざ遠回りさせて」


申し訳なさそうに言う私にニールは優しく微笑んだ。

「かまわないさ、そんなに遠い距離でもないだろ。」

この瞳が…結構好きなんだ。


アイスブルーの綺麗な瞳に見惚れていると私の手の中で音楽がなる。


「刹那だ…!」


「なんだって?」

ニールに促され画面を覗くと…


「もう帰ってるから…買い物してきて…だって」

「そうか…なら、買い物にいくとしますか?」

「そうだね。」


返事を返すとはそっと窓の外を見る。




「今日は早く終わったのかな?」


もう、着いてしまった刹那の通う学校の正門に目を向けるだったが

部活帰りの生徒しか見当たらず・・・そっとそうつぶやくのだった。。








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※ここから視点です



数分後---家にて





「ただいまっ!!!!」



勢い欲扉を開けて帰ってきた末っ子刹那には何事かと問いかけた。


「何って…姉さんが…俺の姉さんが…ぁああ」



「ぁ…あの…?せ…刹那?(汗…と…とりあえず座ったら?」


と、壊れかけの刹那をとりあえずソファーに座らせる。


もそっと前の席に着くと先ほどからいたアリーに話しかけた。


「…どうしたのかしら?」

「さぁな…餓鬼の考えることは理解できねぇー…危ないもんでも拾い食いしたか?」


「うちの刹那はそんなことしないわよ、失礼な」

「へいへい。しかし…って言ってなかったか?」


アリーの一言に刹那はわれに返ったのかハッ!っと立ち上がってを見つめた。


「そうだ!聞いてくれ、姉さん。俺の姉さんに男が居たんだ。」


真剣にしかも切羽詰ったと言わんばかりの表情で訴える刹那だったが…



「知ってたわよ」





「「えええええぇえ!!」」



マジでか?の驚きで声を上げた刹那。

その声に混じって…もう一人。




「アリー…なんであなたまで驚くの??」


「いや…俺の可愛い…じゃなかった…妹に恋人が居たんだぜ?驚くなって方が難しいと思わねーか?」


「…はぁ…」



ため息を吐いたは奇声をあげたもう一人に目を向ける。


すると…


「アリー…貴様…いつからここに居た?」


「…はぁ…」


「今頃かよ?お前が帰ったときからいたっツーの」


かみ合わない&アホばっかりの会話に泣きたくなる

そこにもう一波乱



すべての原因が帰ってくるのだった。



「ただいま!!今日はね…お客さん連れてきたの…」










――――――7話へ