白いミルクもいいけど…  



      黒いコーヒーも好き。




     どっちかなんて決められないじゃない?




++++「カフェオレ」++++




「よっ!ただいま。」


そう言っての部屋に入ってきた男は

シルクハットの帽子を脱ぎ、椅子に腰掛ける。


「お帰り、ティキ。早かったね。」


「あぁ…エクソシスト一人…始末しちゃった。」



そう言って「ディシャ・バリュー」と名の入ったボタンをに向かって投げる。


「何?ボタン?これ…どうするの?」


「可愛い連れへお土産かな。」


「つれ?」


疑問に思ったは、ティキの顔を見上げはてなを浮かべる。



「人間のね。」






「人間?」



それに気づいたのか、ティキが答えを出した。


「そ、たまに遊びにいくんだよ、人間界に。」


「へぇ〜…楽しい?どおりで、最近デートしてくれないと思った。」


少しほっぺの膨らんだを見て、「悪かった」とティキは謝ると同時に

「今度、人間界でデートしようぜ。」

そう誘ったのだ。


「…ぅん!」


少しの沈黙の後、は嬉しそうに返事をするのであった。








「ねぇ?何か飲む?」



少しの時を置き、二人何をするでもなく、お互いの時間を共有していた。


ふと、が言葉をかけた。



「んーーそうだな。じゃぁ、コーヒー。」


「ブラックね?」


「あぁ。」


お決まりのごとく、は彼の言わんとすることを読み取り答える。


「さすが俺の可愛い恋人。」


そんな変なこと言ってても気にせずはドリンクを作っていた。







「はい、どうぞ。」




数分後、ティキの目の前には深いブラウンの香ばしい飲み物が出された。



「ありがとう」

そう言ってティキはそっとカップに唇を当てる。



「おいしぃ?」


「あぁ」


ティキの返事に満足したかのように返事が終わると、もカップに口付けた。



わ、何飲んでんの?」




「カフェオレ。」



「カフェオレ?」

もっと、紅茶とかジュース。とか女の子らしいものを想像していたティキは

帰ってきた思いがけない返答に聞き返す。


「ぅん。カフェオレ。」


「紅茶とかじゃないんだ。」


「ぅん。なんか…白いミルクもいいけど、黒いコーヒーも魅力的でしょ?

 で、どっちも混ざってるから…カフェオレ。白と黒、あっての灰色だから。」



「へぇ〜」



そう言ってカップから目をそらし、を見上げようとした時









ちゅっw









唇に淡いミルクとコーヒーの味が広がった。




「白と黒があるから…カフェオレも、ティキも好きなんだよw」








そう、目の前で笑うが可愛くて



ティキはまた、深い深い口付けをする。











の味覚がコーヒーのブラックでいっぱいになるまで。