******「悪戯」******
「ベル?スクアーロしらない?」
「王子…知ってるけど…面白くないから教えないw」
変なことを言っているベルを思いっきり無視して
次の部屋に向かう扉に手をかける。
「そ…ならボスに聞くわ」
そっけなく返事をしてボスのところへ向かおうとした時
「ぇえ!ちょっと待てよ!王子無視?」
「いや…居場所教えてくんないんでしょ?」
「そうだけど…普通『なんで教えてくんないの?』とか聞くだろ!?」
まるでかまってほしい犬のように
私にすがって突っ込みを入れるベル
「……。わかたって。」
参りましたとばかりにベルの手をゆっくりと下ろして
再度ベルに向きなおす。
「どうして教えてくれないの?」
「ニシシっ……知りたい?」
嬉しそうに笑みを浮かべるベル
しかし…
「別に…」
つい、癖でまたそっけなく返してしまう。
「ちょっと待てよ!!」
「…なに?」
「そこは…可愛く…『ぅん!知りたい』だろ!?」
また、無意味な突込みを入れるベルに
ため息混じりに答える。
「はい・・はぃ……。知りたいから教えて?」
もう、何が知りたかったか分からないじゃない。
そんなことを思いつつベルに問いかける。
すると…
「が…俺以外の男の所行くのが面白くないから教えてやんないの!」
そう言って
悪戯に微笑むベル。
こういう仕草は本当にカッコよくって
やっぱり……惚れてるんだなって
思う。
だから今度は
そっけなくじゃなくて
何時もとはちがって
真剣に
「心配しなくても、私はもうベルの虜だからね。」
そう言ってほっぺにキスをする。
悪戯なキスを。