私は何も知らない。


       だけど、いつかきっと。




  SCRATCH NO・Z 「good person」




嬉しそうに電車に飛び乗っただったが、

思ったより良い環境ではなかった。



そう、ちょうど通勤・通学ラッシュの時間


「ぅーぅ…キツイ。」


少し小柄なは慣れない電車の中でもみクシャにされていた。


すると行き成り、のお尻に温かい手があたった。


「ふぇっ?!」


はびっくりするも、痴漢と言う者を知らず、ただ、仕方なくあたったんだと思った。


しかし、それはエスカレートしていく。



「…ぅ…あっ…蔵…助け…」


どうにも気持ち悪い感触にここには居ない蔵ノ介の名前を呼んでみる。

しかし…




「何してるの!?オジサン…。警察行く?」




助けてくれた声は少し低く、標準語に近かった。


そうこうしているうちに、おじさんはその手を引っ込め、次の駅でそそくさと降りてしまった。


「ちょっと、あんた…」


「きゃっ!!」



そう言って引っ張られた手に体制を崩し、声の主のほうに倒れこむ。




「えっと…あの?…蔵じゃない人…ありがとぅ。」

とりあえず。はお礼を言う。

「蔵じゃない?なにそれ?よく分からないけど…まぁぃぃや。大丈夫?」

その言葉を聞いた瞬間、さっきのことを思い出し、急に涙が出る。



「ぅ…ッ・・・」


「泣かないでよ。俺が泣かした見たいじゃん?
 てか普通そんな格好で電車乗ったら襲ってくださいって言ってる様なもんだょ」


「怖かったょぉぉぉ」



「はぃ…はぃ…」


頭をクシャと撫でながら彼は顔をに向ける。



「俺は財前光。四天王寺中の二年。あんたは?。」


そう言った彼の言葉に反応しては顔を上げて財前を見上げた。


「四天王寺?…蔵ノ介…いっしょ??」


その言葉に、一度「……?」となる財前だが、ふと思い出した部長の名を呟く。


「白石…蔵ノ介?」



「蔵!!知ってるの?どこにいる?私…会いたいの!」





行き成り元気になったは財前にしがみ付き案内を迫る。


それにびっくりしつつも、財前は心の中で、「部長の彼女かぁ〜…略奪愛もありか」

などと、恐ろしいことを考えていた。そして、一言返事をして歩き始めるのであった。



「ぅん。ぃぃよ。同じ部活だし。案内。する。」


「本当?ありがとうw光!いい奴!……駅員と同じくらい?いいやつ^^」



そう言って微笑む彼女に少し突っ込みを入れそうになりながら学校へと足を進めた財前は

しっかり、部室まで彼女を案内した。








「学校、光はなんで早く行かない?」


「面倒だからw」


ふと思った疑問を財前に投げかけるに、いいところ突くねぇ〜と思いながら黒い笑顔でサラッと答えるのであった。

















駅から数分歩いたとこで、大きな門にたどり着いた。





「ここが、俺たちが通ってる学校だよ」


「わぁ〜大きい!!昔居た森くらい大きい!」


「(森?)…ぅん大きいでしょ?まぁ〜一応、名門だからね。」


のたとえに引っかかりつつ話を進め、そして足も進める。


「じゃあ、部室に行こうか。多分、昼休みでみんな集まってる頃だろうし。」


そう言って、スタスタと入っていく財前の後をとことこと付いて歩く姿はとても可愛らしいものだった。









「はい。ここが部室。このドア開けたら多分、いるから。」


「ありがとう光る^−^」


そう言って笑う彼女の頭をまたクシャクシャと撫でて立ち去る財前をみをくり、

ななしはドアに向き直った。







そして、扉を開く。




「あの〜〜〜っ。蔵います?」