季節は流れるのに
君の事は消えない。
****第六章『光へ』****
アレから一年が過ぎた。
中原家にはスナコちゃんが増えてにぎやかになった。
恭平も相変わらず食べ物しか頭になく
蘭丸も女三昧。
雪は…またスナコチャンの部屋に入ったな……泣いてる。
「俺…ちょっと出かけてくる。」
「これから…ご飯ですけど…?」(スナコ
「あ?武長…飯いらねえのか?」(恭平
「あぁ…せっかく作ってくれたのにごめんね。恭平食べといて。」
「うっしゃぁ〜!!」(恭平
そう言って俺は玄関のドアを開け、出て行く。
「武長が外出って珍しくね?」(蘭丸
「ほら……ちゃんじゃない?」(雪
そう言うと…皆はシーンとなり
そっと出て行った武長を見る。
「もう…一年かぁ〜」(蘭丸
そう、今日はの命日で
「…早いなぁ〜一年。」
墓前で手を合わせて花を添える。
「まだ、忘れられないんだ…。ちゃんと幸せになれって言ってたのにな…」
返事が返ってくるはずもなく
そっと立ち尽くす。
「でも、いいよな?俺は一生が好きなんだから。」
そう言って水をかけてそっとまた手を合わせる。
「私のことは忘れて…ちゃんと次の恋をして幸せになって?」
どこから聞こえたのか分からない声にハッとして目を開ける。
「?!!」
しかし。周りには誰もいない。
「気のせいか…」
そうしてそこを離れようとした時。
「新学期に…素敵な出会いがあるからね。」
そう聞こえたのであった。
そして。
新学期に
乃衣ちゃんと出会う…
のことを思いつつも
少しずつ…どこかに似ている乃衣ちゃんに惹かれる武長
それはまた少し後の話・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
―――――――――――END