冷たい闇の中苦しくて動けない。
何故。ドウシテ今なの?
遠くの彼方から微かに差し込む光
伸ばした震える両手に気付いて・・・・・・・
****第四章『光へ』****
私の病気が判明してすぐに
先方から連絡があった。
「今回のお見合いは無しの方向で。」
と。
もう、残された時間が少ない私なんかと結婚はしたくないだろう。
「やっぱり…幸せなんて…無理な望みか…」
私はただ、あと少しの命が怖いわけじゃなかった。
ただ、誰の愛にも触れず
ただ一人。。。誰にも気付かれずに消えるのが怖かった。
武長君…。
彼にも振られてしまった。
きっと、もうすぐ死ぬ私なんて要らないんだろう。
でも。
わたしはまだ
貴方のことが好きです。
いつの日か 私を もう一度 光の下へ
導いて 幸せを 少し 分けてください。
誰でもいい 私に気付いて 心の声に こたえてよ
それだけで 私は闇から 救われるのに………
に逢いに行って数日後、
先方から手紙が来た。
「申し訳ありませんが…今回の縁談は無しの方向で。」
そう、言われたらしい。
「振られちゃった…俺」
「え?!!武長振られたの?!!」
その言葉にビックリしたかのように聞き返す雪
「あ〜こないだのちゃんでしょ?」
心当たりを探って名前を出す蘭丸。
「オメェーが堅苦しい頑固だから嫌われたんだよ」
などと、傷をえぐる恭平。
「違う…と…思うけど…。振られた。」
「どうして?」(雪
「なんか。向こうから縁談は無しで!って連絡があったんだって」
「何だよそれ…直接本人から聞いたわけじゃないんじゃん。」(蘭丸
「あぁ…」
「それって、親同士が決めたんだろ?じゃぁーまた親同士が勝手に断ったんじゃねーの?」(恭平
「……。」
みんなの言葉に考え込む武長。
「で?お前はどう思ってんのさ」(恭平
「俺は…好きだよ。」
「じゃあ…早く口説いて来いよ」(蘭丸
「そう簡単に言うな」
「待ってるかもよ?」(雪
「・・・・・・・・・・」
少しの時間考えた武長は急いで部屋を出て行った。
誰かに会いたいのに一人になりたかったんだね
望まないとしても…この手を差し伸べ続けるよ。