俺の心の中で

 
    誰かの姿がかすんで消える



        朝起きると同じ夢



     君は誰?俺を呼んで…る…君は。





****第弐章『光へ』****



ある日突然、下宿先、中原家に届いた手紙に


「お見合いをします。帰ってきなさい。」


と書かれてあった。


正直面倒だ。


蘭丸がこの前お見合いで苦労していたのを思い出す。


しかし、親の言いつけ…一応形だけでもと思いお見合いに行くことにした。




「遅くなってすみません。」


そう言って入ると中には一人の少女がポツリ。

しかも、顔を上げることなくおじきをしたまま。



「織田…武長と申します。」


そう言って自己紹介をするとそっと顔を上げた。


「…え?」



しかし、行き成りビックリしたような顔をして声を出す。


俺の顔に何かついてるのかな?

そう。思ったりして


「どうか…しました?」

聞いてみる。

しかし帰ってきたのは予想外で


「ぃぇ…あまりにも…美しかったのでつい。」


面白い。なんか…新鮮だなぁ〜。

そう思った。


キャアキャア騒がれるのとは違って

本当に純粋に俺を綺麗だと思ったようだ。

なんだか面白くなって俺は笑ってしまった。


「えっと…その…私。あまり外に出ないものですから。

 その中にはこんな綺麗な殿方が…えっと…」


そんな俺を見て必死に弁解する彼女を可愛く思った。

「あのッ…。」


「ぁ…ごめん。なんか、新鮮で面白かったから。」


「いえ…かまいません。」


そう言うと少し安心したかのように笑う。

それがまた、優しい笑顔だった。


「ぁ…えっと、名前は?」


「あっ!申し遅れました。私、北郷と申します。」


さんね。」


「はい…。織田様は…」


名前を聞き忘れていたことを思い出し、名前を聞いた。

だけど、何だが堅苦しいから…



「あぁ〜かたっくるしいのは止めよう。」


「え?」


「ほら…普通に話しなよ^^。それに、武長でいいよ。」


「はい。」


「敬語も無し…ね?」


そう、言葉をかける。

そしたらまた、優しい笑顔が返ってくる。

俺らしくもない…だんだん彼女に惹かれていった。

だから、恭平や雪、蘭丸達にも紹介しようと思って立ち上がる。


「えっと…どこかに?」

「そ…ちょっと抜け出そうよ。」


そして、差し伸べた手。

それを取るも、足の痺れで体制を崩したを俺が受け止めた。



「ちょッ……えっ!あわゎゎ……ぁ」


「大丈夫?」



しかし、パニックになる

また、そんな新鮮さが可愛いと思う。



だからつい…



キスしたくなる。







向こうは落ち着かせようとしてキスしたと思うだろう


けど、俺は…が可愛かったからキスしたんだ。






そして、俺は恋に落ちた。








永遠に離れてしまう未来だと知らずに。